「若葉九条の会」ニュースレター 36号

           (2010.12.18発行)

                         若葉九条の会広報部

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                    代表 木村忠彦 Tel 043-255-3904

 

お知らせ

 

日時:2011年1月30日(日)13時30分(開場:13時)
会場:千葉市若葉文化ホール
主催:若葉新春平和と文化のつどい実行委員会
後援:千葉市、千葉市教育委員会、千葉市文化振興財団、朝日新聞千葉総局、東京新聞千葉支局、千葉日報社、読売新聞千葉支局

第1部 東京情報大学ウインドアンサンブル ”さんぼ”他
腹話術 伊藤むつ子さん 
ちばぞうれっしゃ合唱団“ぞうれっしゃがやってきた”より
第2部 「平和を願う音楽家の会」の皆さん
ピアノ演奏 平木晶子さん “春の歌”
ファゴット独奏 加藤洋男さん ピアノ 柴田優美子さん
      詩と音楽 浪岡浩子さん 「広島の風」から“折りつる”他
第3部 みつわ台女声コーラス “春を待つ二つの歌”他
      腹話術 伊藤むつ子さん 
      若葉シンフォニーオーケストラ“ヨハンシュトラウスのワルツ”
合唱  一緒にうたいましょう
参加費:前売り券:500円 (当日券:700円)高校生:200円

チケットなどのお問い合わせ先 (みつわ台)木村:(電、FAX)225−3904,(都賀の第)鎌倉:(電)252-1852, (FAX)252-2036,(千城台北)高野:(電、FAX)237—8003,(千城台東1)岩佐:(電、FAX)237-7144, (千城台東3)猿田:(電)237-4198 (野呂町)石井:(電)228-1106, (東京情報大)日高:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 
(実行委員会)このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 
前売り券取扱所:若葉文化ホール・市民会館・文化センター・京葉銀行文化プラザ・女性センター 

11月例会報告—早乙女愛さんの講演を聞いて思うことー
11月28日に開かれた11月例会では早乙女愛さんを講師にお迎えし「軍隊をすてた国コスタリカ」の上映と「コスタリカはなぜ軍隊をすてたか?」の講演をうかがった。参加者は30人で、講演会としては寂しかったが、初めて参加された方も含め、活発な話し合いがされた。
日本は軍隊を捨て非戦を誓う憲法九条を持っている。にもかかわらず現実には、アメリカ、中国、ロシアに次ぐ軍事大国となり、全国各地に135の米軍基地を抱え、イラクに派兵し、今はソマリア沖に基地建設している。憲法施行から63年、平和憲法は解釈改憲という形でなし崩しにされ続け、今やその速度は坂道を転がり落ちるような勢いである。
一方、コスタリカは軍隊を捨てた国であるが、憲法には防衛のためには軍隊を再組織できるという条項もある。しかし、半世紀以上にわたってこの条項は使われたことがない。非軍備永世中立国であるというその平和指向には日本におけるような危うさは感じられない。映画に出てくるごく普通の人々はみな軍隊を持ないことを誇りに思っており、憲法が生活に根付いていることを感じさせる。
「戦争の放棄、軍備及び交戦権の否認」を謳った九条がなし崩しにされてゆく日本との、この大きな違いは一体何なのだろうか?お話しの後、早乙女さんにその質問をしてみた。彼女がこの映画を作った動機の一つがこの疑問であったそうだ。そのような問題意識を持ってコスタリカに行った。映画の切り口は人と人、人と自然の繋がりを学校教育や社会教育でどのように扱っているかである。
コスタリカでは日本で毎年7月から8月に集中して行われる戦争の悲惨さを伝える平和教育のようなものはないそうだ。その替わり、学校では徹底して個人の権利を教える。子供は誰からも愛される権利を持っていること、自分が持つ権利を他者もまた持つことを教える。また子供の時から選挙の手伝いをさせることにより選挙の持つ意味を学ばせる。学級委員の選挙は立候補者が自分の方針を発表し、その方針の妥当性を問うて投票が行われる。日本における学級委員の選出とはまるで違う。日本の学級委員選挙の延長が、政治的ビジョンを何も示さない人気俳優やスポーツ選手が、その知名度だけで国会議員に当選するという現状につながるのではないか。
コスタリカは経済的にはそれ程豊かな国ではない。しかし、軍備にかける予算を教育、福祉、社会のインフラ整備にあてているため、識字率か97%と発展途上国の中では群を抜いて高い。内戦の絶えないコロンビアからの大量の難民を受け入れ、隣人として社会の中に組み込んでいる。この社会が自然と平和教育になっているのであろう。
日本国憲法は国の最高法規であり、天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負っている。しかし、今や改憲を公然と口にする議員が国会議員の多数を占め、最高裁判所には自衛隊の違憲性を判断しない裁判官が多数である。少なくとも国会議員は選挙によって選ばれるのであるから、憲法を変えようとしている議員も主権者である国民が選んだのだ。ということは、憲法が議員を選ぶ判断基準になっていないことになる。コスタリカとのなんたる違いか!何故そうなのだろう?
日本人はあれほどの犠牲者を出した第二次大戦の戦争責任者をも自らの手では裁いてこなかった。そればかりかA級戦犯が首相になることを許し、日米安保条約締結の強行をも許してしまった。日本人は権利とか責任の観念が希薄なのかもしれない。そして急激な変化は嫌うが、なし崩し的変化には寛大である。また、常に周囲に気を配り大勢に順応してゆく傾向が強い。だから一旦大勢がある方向に動きだしたら歯止めがききにくい。そのような日本人の深層心理を読んでか、米国は一貫して九条を変えてゆく方向で圧力をかけ続けてきている。これにどのように抗してゆくか。それは草の根の運動だろう。全国に7500あまりある“九条の会”が大きな希望だ。これを拠り所にして、大勢を変えてゆけば、まだ、希望をつなぐことはできると思う。                       (西都賀 崎山比早子)

若い世代からの声 『コスタリカはなぜ軍隊をすてたのか?』を聞いて

早乙女愛さんの講演『コスタリカはなぜ軍隊をすてたのか?』は、私にとって新しい発見が数多く得られる良い経験になりました。講演では早乙女さんのお話や、映画『コスタリカはなぜ軍隊をすてたのか?』のダイジェスト版の鑑賞、また東京大空襲で被害に遭われた鎌田十六さんの話を収めた映像の鑑賞などが行われました。

『コスタリカはなぜ軍隊をすてたのか?』ではコスタリカとはどういう国なのか、共に平和憲法を持つ日本とコスタリカの何が違うのか、その理由が分かるような構成となっていました。コスタリカでは常設軍を保有しない代わりに教育に力を入れています。その中で行われる平和教育では自分の身近な生活から平和を感じられるよう工夫がされていました。自分の身近にある問題に対して自分はどうすればいいのか。戦争ではなく、自分の生活に焦点を当てることで自分や周りの人々、そして環境が良いものであるためには、軍隊を持たないこと、戦争を行わないことが大切なのだと考えるような教育がコスタリカでは行われていたのです。
また、子供を含めた国民のほとんどが政治に対して常に視線を向けているという点でも日本との違いがありました。今回の講演会を通して私は新しい平和の広め方を発見できたと思います。それは「自分の身近な生活から、平和を考えてもらう」というものです。今回の経験で得たものを最大限発揮して、平和の輪を広げていきたいと思います。                  (若葉区・青田)

 

年配の世代から:戦争に代わる「対話による解決を」

国民を奴隷のごとく扱いこらしめて、国を栄えさせ天皇をひとり千代に八千代に栄えさせるための「帝国憲法」から、GHQのおかげで象徴天皇として天皇制は残ったが、政府に対する「国民の権利」を語った憲法へと大きく、がらりと変わりました。もう60年になります。しかし、この憲法に書かれた国民の権利は行使しないとすぐにとりかえされてしまいます。
特に九条は「戦争を放棄して、戦争に代わる<対話による解決>をうたっているのです。独立国と称しながら国土に外国軍隊の戦争基地を置かせている国は今や日本だけです。こんな国が世界に向かって平和だ平和だと叫んでも誰が相手にしてくれましょうか。戦争に勝っても恨まれるだけです。恨みは未来永劫に続きます。核も武力も放棄して顔と顔を合わせて話し合いで、「対話」による解決を国民の大きな世論にすべく「九条の会」の皆さんと共に活動して行きたいと心から思っています。(小倉台・関口 甫)

イラク帰還兵士の証言を聞くつどい(10月11日開催 於:千葉大学)に出席して
新聞やテレビ、インターネットなどの報道を通して世界を眺めていると「アメリカ」も「アメリカ軍」もそれがまるで一つの意志を持ったものであるかのように錯覚してしまいがちです。しかしお二人の話を聞くことで、アメリカと米軍は同じではない、米軍の中にも様々な考え方があるのだという当たり前のことに改めて気づかされました。そのことに気づけたのは、イラクやアメリカ軍の現状を肌で知っている人の話しを聞けたからこそだと思います。特にジェフリー・ミラードさんの戦地での体験談や劣化ウランに関するお話は印象に残っています。
若い世代はこのような貴重な機会にもっと貪欲になるべきだし、こういった集会はもっと一般に開かれるべきだと思いました。 (若葉区・東海林)

聞いてきました  渡辺治教授の講演「激動の政界と憲法改正」

~~憲法9条と25条の危機について~~
渡辺治教授の講演会「激動の政界と憲法改正」は、11月13日、千葉で行われました。ものをずばり話し、的確な話しをされました。 
9条の会の運動の力で、民主党は改憲の旗を降ろし、民主党を変えた。9条の会の運動は、中高年の人たちが立ち上がり、世論を変えた。小泉政権でも打ち出した構造改革とは、大企業の負担の軽減と法人税負担の軽減を目指し、国民の福祉や教育費を削り、消費税の引き上げをすることであり、憲法25条の危機である。憲法25条は、国民は健康で文化的な生活を営む権利を有し、国は社会保障の向上、増進につとめなければならないと定めている。民主党が大勝したのは、後期高齢者医療に対する反対運動、労働者を解雇できる労働者派遣法の改正運動、年越し派遣村の運動、公立高校授業料無償化、子ども手当ての支給の問題などに現れているとのことです。
鳩山政権は、動揺したが、普天間基地等の問題で頑張った。しかしながら、財界とアメリカの圧力で、挫折した。沖縄の運動、県民大会の意志は管政権の大きな課題として残る。反構造改革の運動と普天間基地の国外移転や福祉マニフェストの実現で、民主党は選挙に大勝した。しかし財界とアメリカは、鳩山政権の政策にびっくりし、鳩山政権に圧力をかけ、福祉マニフェストの実現を後退させ、民主党は選挙で敗北した。
社民党、共産党が後退したのは、小選挙区制、二大政党の定着があり、国民は、日米同盟、構造改革に代わる対案を持てていないからと述べていました。管政権は、財界とアメリカの熱い期待で誕生したとのことです。
管政権のもとで、憲法改正や構造改革はどうなるかについて、後期高齢者医療制度に代わる新制度を考え、保育制度の改悪、介護保険制度の改革、消費税の引き上げが行われる。軍事大国化については、日米共同作戦の強化等をする。憲法改正手続法が施行されても、憲法審査会は動かなかったが、管政権、民主党政権で大連立の暁には、改憲の動きが強まるとのことです。       (みつわ台・山田安太郎)